青色申告承認申請書の書き方 | 提出期限を過ぎると65万円控除が1年遅れる

青色申告承認申請書の書き方 | 提出期限を過ぎると65万円控除が1年遅れ

副業の節税で一番もったいない失敗は何か。私は「青色申告承認申請書の出し忘れ」だと思っています。

開業届だけ出して満足してしまい、申請期限を過ぎてから青色申告のメリットに気づく——この場合、青色申告特別控除(最大65万円)が使えるのは翌年から。税率30%なら約19.5万円分の節税チャンスを、書類1枚の出し忘れで失うことになります。

私は開業届と同時に青色申告承認申請書を税務署へ提出済みです。この記事では、その実体験をもとに、期限のルール、全項目の書き方、提出後の注意点を解説します。書類自体はA4一枚、記入は10分で終わります。

目次

青色申告とは | 白色申告との違いをおさらい

確定申告には白色申告と青色申告があり、青色申告は「きちんと帳簿をつける代わりに、税制上の特典を受けられる」制度です。主な特典は4つ。

特典内容
青色申告特別控除最大65万円を所得から控除(税率30%で年19.5万円の節税▶︎具体的な節税効果は「青色申告特別控除65万円の節税効果詳細」を参照ください)
純損失の繰越控除赤字を翌年以後3年間繰り越して黒字と相殺できる
青色事業専従者給与家族への給与を経費にできる(要・別途届出、専従の実態が必要)
少額減価償却資産の特例30万円未満の備品を一括で経費化できる(年300万円まで)

副業がまだ赤字でも「繰越控除」があるため、初年度から青色にしておく価値があります。私自身、事業は黒字化の途上ですが、青色の枠組みを先に整えたのはこのためです。

そして、この青色申告を使うために必要なのが「所得税の青色申告承認申請書」。申請しなければ、何年事業をやっていても自動的には青色になりません。

最重要:提出期限のルール

この書類の唯一にして最大の注意点が期限です。

提出期限のルール
  • 原則:青色申告をしたい年の3月15日まで
  • その年の1月16日以後に開業した場合:開業日から2ヶ月以内

具体例で確認しましょう。

  • 2026年6月1日に開業 → 2026年7月31日までに提出すれば、2026年分から青色申告OK
  • 2025年から事業をしているが白色のまま → 2026年3月15日までに提出すれば2026年分から青色(過ぎたら2027年分から)

1日でも遅れると適用が丸1年遅れます。リカバリー手段はありません。だからこそ、開業届と同時に出すのが鉄則です(開業届の書き方は「開業届の書き方・出し方完全ガイド」を参照ください)。私も2枚セットで税務署に持参し、窓口での所要時間は2枚合わせて5分ほどでした。

青色申告承認申請書の書き方 | 全項目解説

国税庁サイトから様式をダウンロードできます。迷いやすい項目を中心に解説します。

申請書の様式は国税庁「所得税の青色申告承認申請手続」のページで入手できます。

項目書き方のポイント
納税地・氏名等開業届と同じ内容を記入
職業・屋号開業届と一致させる
「令和◯年分以後の所得税の申告は…」青色申告を始めたい年を記入。ここを間違えると1年ずれるので最重要
所得の種類事業所得に○
過去の青色申告承認の取消し等通常は「無」
開業日開業届の開業日と一致させる(期限判定の根拠になる)
相続による事業承継通常は「無」
簿記方式「複式簿記」を選ぶ(後述)
備付帳簿名「総勘定元帳」「仕訳帳」を含めて選択(後述)

簿記方式は迷わず「複式簿記」

65万円(55万円)控除の要件は複式簿記です。「簡易簿記」を選ぶと10万円控除どまり。「複式簿記なんて無理…」と感じるかもしれませんが、実務は会計ソフトが全部やってくれます。私はマネーフォワードクラウドに事業用の銀行口座とカードを連携し、取引を自動取得→勘定科目を選ぶだけ。簿記資格がなくても帳簿は完成します(詳細記事を作成中です)。

申請書の段階で弱気になって簡易簿記を選ぶ理由はありません。最大の特典を取れる選択をしておきましょう。

備付帳簿名はどれを選ぶ?

複式簿記なら最低限「仕訳帳」「総勘定元帳」にチェック。あわせて実態に応じて「現金出納帳」「預金出納帳」「経費帳」「固定資産台帳」あたりを選んでおけば一般的です。ここは多めにチェックしても問題ありません(その帳簿を必ず作る義務が生じるわけではなく、実態に応じた帳簿を備え付ければOK)。

提出方法と提出後の注意点

提出方法は開業届と同じく、①税務署持参、②郵送、③e-Tax(または無料の開業書類作成サービスで作成して提出)の3つ。私は①で開業届と同時提出しました。控え(または受信通知)は必ず保管を。

そして提出後、多くの人が戸惑うポイントがこれです。

承認の通知は来ません。

青色申告の承認は「その年の12月31日までに処分の通知がなければ承認されたとみなす」仕組み(みなし承認)です。「返事が来ないけど大丈夫?」と不安になりますが、何も来ない=承認、と覚えておいてください。

提出が済んだら、あとは日々の記帳です。やることは3つだけ。

  1. 事業用口座・カードに取引を集約する(私は楽天銀行の個人ビジネス口座を利用)
  2. 会計ソフトに連携して自動仕訳(月15分のメンテで回ります)
  3. 確定申告は青色申告決算書を添付してe-Taxで期限内に(65万円控除の最後の要件です。やり方は「確定申告をe-Taxでやる方法」を参照ください)

まとめ

  • 青色申告は申請制。承認申請書を出さない限り始まらない
  • 期限は「その年の3月15日」または「開業から2ヶ月以内」。過ぎたら適用は翌年から
  • 簿記方式は迷わず複式簿記、帳簿は仕訳帳・総勘定元帳を含めて選択
  • 開業届と同時提出が鉄則。承認通知は来ない(みなし承認)
  • 赤字の初年度でも、繰越控除があるので青色にしておく価値あり

申請が済んだら、この制度の本丸である「65万円控除でいくら節税できるか」をどうぞ。私の場合は年19.5万円。この数字を見れば、A4一枚・10分の手続きをサボる理由がなくなるはずです。

※様式・要件の最新情報は国税庁の公式情報をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次